Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001)の特徴

いよいよ来週の販売開始を目前にして、Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001)の特徴をまとめたいと思います。

Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001

 

生地

Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001)には、大正時代の旧式の吊り編み機で編まれた吊り編み天竺と呼ばれる生地が使われています。
空気を一緒に編みこむと表現される吊り編み機は、生地を編むときに糸に余計な力をかけず、編み上がった生地も現在主流のシンカー編み機のように強制的に巻き取りません。
そのため吊り編み機で編まれた生地は、洗いこむほどに実感できるやわらかさや、独特の豊かな風合いを持っており、その特性を長期間保ちます。

出典:第1回 魔法のかかった編み立て機?|ほぼ日刊イトイ新聞

しかし、その生地の性能とは裏腹に、生産能力の低さ(現在主流のシンカー編み機の20分の1程度の生産能力しかない)故に、大量生産、大量消費という近代化の流れの中で、シンカー編み機への置き換えが進み、現在では吊り編み機を稼働させる工場は和歌山県に2社、世界的に見てもごくわずかとなりました。

吊り編み機(写真左)とシンカー編み機(写真右)(出典:高速丸編機との比較|カネキチ工業株式会社)

Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001)には、この貴重な吊り編み機に16番単糸(16/1)という太番手の糸をかけて編んだ吊り編み天竺が使われています。
16番単糸という糸は、長い間、吊り編み天竺を取り扱ってきた縫製工場の職人が、その経験と知識から最もTシャツに適していると考えられる番手として選んだものです。
生地表面に表れるビンテージシャツ特有のザラ感や、吊り編み天竺特有の柔らかさが特徴です。

縫製

Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001)の縫製は、東京の江戸川区にある老舗工場で行われています。
袖口や裾口にはビンテージシャツに良くみられる天地引きと呼ばれる縫製手法を用いています。

天地引き(写真左)と2本針平縫い(写真右)の縫い目(表)

現在主流の2本針平縫いに比べ、天地引きは表面への縫い目が点状にしか現れないため目立たず、また横方向への引っ張りも2本針平縫いよりも強いとされていますが、その縫製には熟練を要するため、ビンテージシャツや一部の拘りTシャツに限って見られる縫製手法です。

形状(パターン)

Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001)の形状(パターン)で最も特徴的なのは襟口の大きさです。
今日流通している拘りTシャツの多くが、襟が伸びてしまうことを防ぐために襟巾を太く、そして襟口を小さくした形状になっています。
しかし、Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001)は、バインダーネックと呼ばれる比較的伸びに強いとされる方式を採用していることもあり、デザイン性も考慮し襟巾は細めにし、襟口を広めにしました。

Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001)の襟巾と襟口

これは、襟は絶対に伸びてはいけないというある種の固定観念を取り払い、ある程度の伸びは経年変化による風合いと受け入れることにより辿り着いた形状です。
これにより、着ている時だけではなく、着脱時のストレス軽減も期待できます。
襟以外にも吊り編み天竺の柔らかさを生かすため、身巾はレギュラーからやや太目、袖丈は長め、袖口はやや広目、着丈はやや長めとしています。
肩幅に関しては、肩でかっこよく着れるようにレギュラーからやや狭めにしています。

Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001

特別な一着

Tシャツの王道である白の無地Tシャツ。
シンプルが故に奥が深く妥協が即、その風合いの差となって表れる無地Tシャツ。
Bitter Cats 吊り編みポケットTシャツ(BCTS-S001)は、その生地の選定から、形状(パターン)の作成、そして縫製と、熟練の職人達と共に手を抜くことなく丁寧につくりあげてきた唯一無二の渾身作です。
この商品がお客様にとっても末永く特別な一着となっていただけることを願っています。

 

 

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