無地Tシャツの風合いの違い

テレビや雑誌で無地の白Tシャツを着たモデルが出てくる季節になってきました。
デザイン物のTシャツもいいけど、シンプルで爽やか、それでいて決めすぎないかっこいい大人のTシャツ。
それが無地の白Tシャツ。
毎年、無地の白Tシャツは特集が組まれるほど大人気の定番・王道のTシャツです。

しかし、実際に買ってみると、なんか想像していたのと違ったと感じたことはないでしょうか。
着てみたら下着見たいに見えてしまうとか、横幅は広くてダボダボなのに首だけキュッとしていてバランスが悪いとか、肌が透けてしまって一枚では着れないといった失敗はよくあることだと思います。

シンプルだからこそ奥が深い無地白Tシャツ。
自信をもって着れる最高の一着を手に入れるために、無地白Tシャツについて考察してみたいと思います。

吊り編みTシャツ

 

無地白Tシャツを比較

まずはいろいろな価格帯の無地白Tシャツを見てみることから始めてみましょう。

 

<1000円未満のTシャツ>

1.オリジナルプリントTシャツのベースとして人気のmaximum(現LIFEMAX)の無地Tシャツ


生地は、5.3ozと、肉厚生地に分類されるものです。
キメが細かいので、表面はつるっとした印象です。

2.素材にこだわりを持つUNIQLOのプレミアムコットン無地Tシャツ(今はスピーマコットン)


生地の厚み等の明記はありませんので詳細は不明ですが、やや薄目の生地なので肌が少し透けます。
生地のキメが細かいですが、先ほどのmaximumのものと比べるとつるっとした印象はありません。
柔らかい肌触りが特徴です。

3.プリントTシャツのベースとして不動の人気を誇るメーカ United Athleの5495-01 無地Tシャツ


生地は、4.7ozと薄手生地に分類されるものを使っていますが、肌の透け感は気になるほどはありません。
生地のキメは細かいですが、maximumのようなつるっとした感じではなく、少しざらっした印象で、良い風合いとなって表れています。
色も真っ白ではなく、ちょっと黄色がかった白(オフホワイト)の感じが、無地にも拘わらず下着感を感じさせないことに一躍かっているように感じます。

 

<2000円未満1000円以上のTシャツ>

4.United Athle 4253-01 無地Tシャツ


United Athleの商品としては高価格帯の商品です。
ポケットがついているのも特徴ですが、7.1ozというヘビーウェイトの生地が、上記の商品とは全く違っています。
生地の原料となる糸は、オープンエンドヤーンを使っているため、生地表面にはザラ感がかなりはっきり表れています。
Tシャツ自体にずっしりとした重量感があり、生地はやや硬い印象です。

 

<2000円以上のTシャツ>

5.Tシャツ好きにはたまらない。Championの定番Tシャツ、T1011(ティーテンイレブン)の無地Tシャツ

このTシャツもオープンエンドヤーンを使った生地を使っています。
もともと、アメリカ発祥のTシャツは、このオープンエンドヤーンを使っているものが多いです。
7ozのヘビーウェイトの生地を使っていますが、先ほどのUnited Athle 4253-01と比べると生地はふっくらと柔らかい印象です。
サイズ感がアメリカンで日本人には少し大きいので購入する場合はワンサイズ小さめがおススメです。
生地表面の感じや柔らかさは、個人的に大好きです。

6.日本製の無地Tシャツの中でも大人気を誇るWAREHOUSEの定番、4601 無地Pocket Tシャツ

生地の厚みを表現するのに重さを示す「oz(オンス)」が用いられることが多いのですが、この商品は12番単糸(12/s)と、生地を構成する糸の太さを示す「糸番手」で記載されています。
糸番手に関しては、また別記事で触れたいと思いますが、この12番という番手は、Tシャツ用としてはかなりの太番手で、一般的には生地が硬くごわつきがちになりますが、この生地はとてもふっくらと柔らかく仕上がっています。
この柔らかさの秘密は、この生地が吊り編み機で編まれているということにあると考えています。
吊り編み機で編まれた生地は、空気を一緒に編みこむと表現されるように、糸にテンションをかけずにゆっくりと生地を編んでいくため、とても柔らかい生地に仕上がるのが特徴の一つです。
太番手の糸で編まれているため、生地表面にザラ感が出て、それが良い風合いとなって表れています。

7.最後にBitter CatsのBCTS-S0001無地ポケットTシャツ

多くの無地Tシャツを研究し、今一番自分達がほしいと思うTシャツを、一から作り上げたBitter Cats完全オリジナルの無地ポケットTシャツ。
生地には、吊り編み機で編み上げられた吊り編み天竺を使っています。
糸番手は、Tシャツとして使うのにもっとも適していると考えられる16番単糸(16/s)を使っています。
近くで見ると生地のキメは細かいのですが、離れてみるとザラ感がジーンズの縦落ちのように表れ、ビンテージの風合いを醸し出しています。
この生地に出会うまでにかなりの時間と労力をかけましたが、実際に手にしたときは、喜びもひとしおでした。
この写真は、最終プロトになりますが、生地自体は製品と同一です。

白Tシャツは千差万別

無地Tシャツと一括りに分類されていますが、その風合いは、その原料となる素材や作り方によって着た際の印象は千差万別です。
Tシャツの風合いに影響する要素としては、素材(生地)や形状(カッティング)、縫製、プリントデザイン(プリント物のTシャツの場合)が考えられます。
これらの要素に関してはそれぞれ、別記事でもう少し深堀していきたいと思います。

 

 

 

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