最終的に、Bitter CatsのTシャツには、「吊り編み天竺」を使うことになるわけですが、今回は、その「吊り編み天竺」を採用した理由について、もう少し触れたいと思います。

吊り編み天竺
吊り編みという言葉は、一般の人たちにはもしかしたらあまり馴染みのない言葉かもしれません。
私達も「吊り編み」という言葉は知りませんでした。
しかし、同じ業界にいる人たちや、Tシャツ好きな人達からすると、すごく有名な生地だったんです。
実際に、「吊り編み」というワードで検索すると、すごく詳しく記載している記事がたくさんでてきます。
しかも、そういった記事は、拘りのTシャツを作っている会社や、拘りの製品を取り扱っているセレクトショップのスタッフの方たちだったりするんです。
つまり、取り扱っている商品に対して拘りを持っている人は知っている、そうゆう至極の生地だということです。
以下の記事は、数少ない「吊り編み天竺」を生産している会社の社長と記者との対話形式で記載されていて、非常にわかりやすかったのでご紹介させていただきます。
「第1回 魔法のかかった編み立て機?」
※この記事を掲載している「ほぼ日刊イトイ新聞」は、糸井重里さんが主宰されている新聞のようです。
吊り編み天竺に魅かれる点
この記事の中で特に惹きつけられたのは、以下の4点です。
1.現在主流の編み機で編んだ生地よりも吊り編み機で編んだ生地のほうが伸縮性に富み丈夫であるということ。
2.洗濯をしても風合いが損なわれない(にくいということ)。
3.糸にテンションをかけずにゆっくりと編んでいく(1時間で1m程度しか編めない)ため、空気と一緒に編むと表現されるようにとてもふっくらとした生地になるということ。
4.吊り編み機は、もうわずかにしか現存していないということ。
1.2.3.はとても魅力的ですが、3.4.からわかるようにとても希少な生地であることも理解できます。
ただ当時は、少量なら何とか手に入るのではないかと甘い考えでいたのも事実です。
この後、この生地を入手する難しさを身に染みて味わうことになりますが、それはまた今後、別記事にて記載させていただきます。
採用の決めては純粋な素材本来の良さ
ただここで重要なことは、吊り編み生地が有名だから、この生地の採用を決めたのではないということです。
私達は、世のなかに流通している商品の中から自分達が作りたいと考えているTシャツに近い商品を集め、それらを研究したら、その結果、「吊り編み天竺」という生地を使っている商品が多かったということなのです。
生地採用の決め手が、ブランド名ではなく、素材本来の良さであったということです。